建築費用は建物の大きさや形、材料(構造材・内外装仕上げ材等)、設備(キッチン・トイレ・浴室等)、性能(耐震性能・断熱性能等)、地盤の強さ等、それぞれの工事費用の積み重ねの合計になります。
予算内に建築費用が収まらなければ成り立ちません。
予算内に収める為には、「計画の初期段階で主な仕上げ、設備の仕様や建物の性能をお客様と決め概算の建築費用を提示すること」がポイントになります。
昔からよく使われている坪単価(建物の大きさ×坪単価)を用いると予算との差が大きくなる可能性があります。
内外装の仕上げ材料や設備仕様などは大きく坪単価に影響します。予算内に収まる建築費用とするためにも初期のプランでの大まか建築費用の把握が必要です。
お客様から「こんな感じの家にしたい。こんな間取りにしたい」と資料やスケッチを頂くことがあります。
お客様の要望が明確に伝わり間取りの方向性や考え方を共有できます。要望や住まい方をいかに取り入れ予算内に収まるプランにまとめるか。
下記の間取りは原案の要望を取り入れながら建物をコンパクトにし予算内に収まるよう工夫した例になります。
〈家族構成〉
夫婦共働き 子供二人(女の子:小学5年生・男の子:小学3年生)
〈要 望〉
原案より約7坪程度コンパクトにした変更案になります。
提案された間取りについて
など気になるポイントを確認します。些細な事でも気になる事があれば立ち止まって確認し解決案を見つけながら検討を重ねていきます。
基本となる間取り作りに十分な時間を掛けることは納得のいく家造りに繋がります。
建物は外から観ているとじっとしていて、その内部にどの様な力が生じているか解りません。実際には常にストレスがかかっています。
風圧や自動車の振動、屋根から地面に向かう建物の自重や家具などの生活荷重です。
台風や地震に抵抗する丈夫さだけではなく常にかかっている力を地面に伝達していく「力の流れ」を考え安定した構造のセオリーの中で計画することが大事です。
そうすることで家を支える柱の位置や梁のサイズも整い建築費用にも反映されます。
下記は構造計画の基本的な考え方になります。
構造区画ラインを1階と2階を合わせることで壁の位置や柱の位置、建物を支える耐力壁の位置が合いやすくなり「力の流れ」が明確になります。
「力の流れ」を考えて計画することで【地震時のねじれ】を抑えることもできます。
少し難しいですが1階と2階の壁の重なりを確認し線を引いてみると解りやすいと思います。これは基本的な構造計画の考え方ですが梁のサイズも経済的なサイズになりやすく構造材の費用を抑えることが出来ます。
予算内に建築費用を収め「過ごしやすさ」と「確かな安全性能」を併せ持つ家造りの考え方の参考にして頂ければと思います。